法務教官

少年犯罪に向き合う法務教官

法務教官は、少年院において、罪を犯した少年たちに教育、指導を行う仕事で、心理系の国家公務員となります。
出所した少年が再び罪を犯さないように、しっかりとした指導が必要ですから、法務教官としての力量は常に問われるという事になるでしょう。

その内容は、資格取得のための訓練、体育などの指導、一般の学校の教員のように、成績をつけたり、採点をしたりといった業務もあります。
こうした業務を集団生活している罪を犯した少年たちの様子を見ながら、行うといったことですから、学校の教師以上に大変なことがあるでしょう。

こういった仕事の他に少年鑑別所での仕事もあります。
少年鑑別所は罪を犯した少年が家庭裁判所で審判を受ける前に観護措置となった少年が収容されるところです。
ここで、少年は一定期間にわたって、規律正しい生活を送る中で、その資質を判断されます。
その判断が法務教官の仕事です。

法務教官は法務技官と協力し収容された少年の性格、人間性を見極め、将来性を考慮しながら、更生の可能性の有無を判断します。
それが少年審判の参考になるというわけです。

法務教官になるためにどんな勉強をすれば良いか

法務教官になるには、法務教官の採用試験を受けて合格しなければいけません。
この試験は年齢制限以外に受験者の制限はありませんので、学歴を問わずに受験は可能ですが、試験のレベルは大卒程度です。

大卒の場合、どのような学部でも良いのですが、少年心理、犯罪心理の理解が必要でしょうし、教育的な指導もしますから、教育系の勉強も必要でしょう。
そう考えますと、これから大学を目指すのであれば、心理系の学部、学科、教育系の学部、学科が良いかもしれません。

特に資格は必要とされていませんが、働くにあたって、少年の心と向き合うという事から、臨床心理士の資格、外国人もいるかもしれないという事で、外国語の資格もあると良いでしょう。
こういった資格取得のために、勉強することは仕事をする上で、役に立つのは間違いないです。

採用試験は、法務省専門職員(人間科学)採用試験の法務教官区分となります。
この試験はその年の4月に21歳以上、29歳未満であれば受験可能で、21歳未満でも大学卒業見込みであれば受験できます。

また、こういった試験の他にも29歳以上40歳未満でも社会人枠の採用があり、試験内容は同じです。
但し、男子はA区分、女子はB区分となっています。

いずれの試験も一次試験は筆記、二次試験は人物試験と身体検査です。
一次試験合格者が二次に進み、最終合格者が成績の高い順に法務教官採用名簿に載り、有効祈願は一年となっています。

最終合格をしましたら、採用内定を受けるために希望管区にハガキを送り、管区面接にパスしなければなりません。
そういった面接前に施設見学をしますと、モチベーションも上がるでしょうし、職員とも顔見知りになれますから、面接の際も心強いでしょう。

法務教官は少年たちを立ち直らせ、社会に役立つ人間へと導く難しい仕事ですが、やりがいがあります。
優しさのみでは、厳しいものもありますから、強い信念のもとに頑張り、内定を勝ち取って下さい。