チームワークがカギを握る!多能工

多能工の仕事内容

「多能工」とは生産・施工の現場において、1人で複数の業務や工程を行うことができる人材のことです。
反対に1人で1つの業務だけを担当することを「単能工」と言い、勤務をしていくにあたりキャリアアップのために他の職能を身に着けて多能工になっていく、というルートが取られます。

もともと多能工という概念を考え出したのはトヨタ自動車で、一人で担当できる業務を一つだけに絞らず複数の技能を習得するようにして、より効率のよい生産体制をとろうということから始まっています。

それまでは工場内の担当業務といえば単能工が一般的で、一人が一つの機器を担当することになっていました。
そこで多能工として一人が複数の機械を取り扱うことができるようにすることにより、空き時間を減らしてお互いに業務を手伝うことができるようにしています。

トヨタ自動車で採用しているのは例えば3つの機器を3人で扱うとき、一人が一つの機械につくのではなく、3人が3人とも3つの機械を扱うようにするという方法です。

これにより3人の職能に差があっても平均的に無駄なく仕事をしていくことができるので、結果的に作業効率が上がることになります。

現場での活躍

「多能工」という概念は、もともとトヨタ自動車などの生産工場で多く使用されてきましたが、現在では他の業種やホワイトカラーでも使用をされるようになってきました。
これが「多能的人材」で、一人で複数の業務ができる人を採用することにより、企業側も配置がしやすくなるというメリットがあるのです。

埼玉県に本社のあるヤオコーでは、食品スーパー内においてこの多能工というシステムを導入しており、パートとして勤務する従業員が忙しさに合わせて自主的に現場を移動することができるようにしています。

職種に合うタイプ

この多能工システムは急速に企業内に広がっており、今後は全く違った分野の企業でも当たり前に採用されるようになるのではないかと思われます。

多能工システムの場合、重要になるのが他のスタッフとの連携で、周りの様子を見ながら自分で仕事を探していくということになります。
単能工の場合には、ある意味自分の仕事さえしていればそれでいいということにもなるので、専門的な職人を作り出すことはできやすい反面、他の企業でも通用するような技能が身につけにくいという欠点がありました。

これからは企業側からの要望としてだけでなく、自ら多能工としての技能を身に着けていくというような姿勢が従業員に求められています。
チームワークで動くことができる人こそ、この多能工のシステムにピッタリと言えますので、ぜひ自分の得意分野から複数の技能を学習して働くことができる場所を広げていってもらいたいです。