刑務官

受刑者の社会復帰に尽力する刑務官

刑務官は、法務省管轄の刑事施設に勤務し、刑務所、少年刑務所、拘置所、鑑別所の運営や警備、受刑者が社会復帰できるような指導にあたります。
身分は法務省に属する国家公務員です。

具体的にその仕事内容をご紹介しますと、受刑者の刑務所内での生活の指導、再犯防止につながるような講義、受刑者の悩み事相談等です。
そして、受刑者の収容されている施設の点検、備品のチェック、収容者の健康チェック、面会、作業場、医務室、風呂、運動場への引率、規律違反のチェック等も行い、報告書の作成、郵便物の管理と言った事務作業も行います。

さらに、まだ刑の確定していない拘留中の被疑者や被告人の逃亡、証拠隠滅を阻止、裁判所に護送するなどの業務もあります。
こういった仕事は拘置所内での仕事です。

刑務官になる方法

刑務官になるには、採用試験を受けて合格すると言うやり方が一番多いケースでしょう。
18歳~29歳までの男女がその試験を受けられる対象で、難易度は高卒程度です。
その内容は、筆記と実技があります。

内容をさらに詳しく、ご説明致しますと、第一試験は選択式の教養試験と作文で、作文においては表現力、理解力が試されるようです。
第二次試験は面接で人物判定、身体測定、体力測定となります。

公的機関になりますから、思想、過去の犯罪歴も見られるようです。
このようにして、試験で合格した中から、候補者、内定者を出します。

こういった試験の枠の他にも中途採用があります。
欠員が出た場合のみで、50歳程度までの男女が対象ですが、出世などの面ではスタートの遅さから、新卒採用とは差があるようです。

ごく少数ですが、国家公務員試験から、刑務官になる場合もあります。
この場合、法務省職員から刑務官を拝命するということです。
但し、刑務所内で働くのではなく、副看守長、看守部長等の高い地位からスタートし、昇進のための研修も免除で、教官や管理職待遇となります。

この他に武道拝命という枠があるのをご存知でしょうか。
この枠は柔道、剣道の有段者が認められて採用されると言うものです。
主に武道訓練の指導者としての採用のためですから、武道実技が試験科目になります。
採用された場合は、警備隊に配属されることが多いようです。

厳しい研修

仕事が始まる前に8ヶ月間の初等科研修があります。
官舎に泊まり込み、刑務官に必要な知識、実技を教え込まれるようです。

これが、かなり厳しい研修のようで、ここで脱落者も出ます。
こういった厳しさを乗り切った人が、晴れて刑務官デビューできるのです。

刑務官の仕事は、言わずもがなとも言えますが、想像以上に大変なものでしょう。
とはいえ、なくてはならない大事な存在です。
しっかりとした決意のもとに、頑張りましょう。