不法入国の外国人を取しきる入国警備官
入国警備官とは、余り聞き慣れない言葉でしょう。
どういった仕事か、ご説明致しますと、日本を訪れる外国人や在留する外国人を管理する仕事で、法務省入国管理局の国家公務員です。
仕事の内容ですが、その業務は大きく4つに分けられます。
それぞれの具体的な内容を挙げてみましょう。
1つ目は、「違反調査」です。
一般人からの通報が元となる場合もありますし、独自の調査の場合もありますが、入管法に違反している外国人を見つけるといったことです。
日本全国を考えますと、大変な調査ですが、数々の通報がありますので、それらをつなぎ合わせますと、見当が付くものでしょう。
見つけた後は、本人や関係者から話を聞き、調査を進めます。
2つ目は「摘発」です。
裁判所の許可に基づいて行う事ですが、捜索、押収、臨検、逃亡の恐れのある違反者の身柄拘束を行います。
こういった業務は警察官と連携して行う事が多いようですが、危険を伴うということは否めないでしょう。
3つ目は「収容」です。
身柄拘束の外国人、または自ら出頭してきた違反者である外国人は入管法違反が認められれば、地方入国管理局に収容されます。
こういったことは収容令書によるものです。
その間、入国審査官による審査が行われ、違反が認められれば退去強制令書が出され、退去強制の手続きが行われますので、その間、違反者が逃亡しないように監視、施設の警備をします。
4つ目は「送還」です。
退去強制令書が出されれば、不法滞在の外国人は国籍国に送還されることになります。
この手続きを在日外交館とも連携して行うのも入国警備官の仕事です。
その他に確実に出国させるために、そういった外国人を空港や海港まで護送します。
これらの業務は「地方入国管理センター」や「同出張所、同支局」に配属された入国警備官により、分業で行われているようです。
入国警備官になるには正義感も体力も必要
入国警備官になるには、法務省の入国警備官採用試験を受けて合格しなければいけません。
その難易度は国家三種程度と言われていまして、学歴制限はありません。
受験資格は「募集年度の高等学校、または中等学校卒業から5年を経過してしてない者」または「翌年に卒業見込みの者」です。
試験は年1回、毎年9月頃に行われます。
採用試験には「警備官区分」の他、平成24年から「警備官(社会人)区分」が作られました。
その内容は第一次は筆記で教養、作文です。
第二次は人物試験、身体検査、身体測定、体力検査となっています。
但し、一次に合格しなければ、二次は受けられません。
教養試験レベルは高卒程度ですから、内容的には難問でいうわけではないのですが、競争率はものすごいものです。
ここ数年倍率は30倍前後、合格率3%程度となっています。
入国警備官は危険を伴う事もありますから、正義感も体力も求められるでしょう。
厳しい競争率ではありますが、国内でのトラブルなどを防ぐ立派な仕事ですから、やりがいがある事は間違いなしです。
信念を持って、目指しましょう。