麻薬取締官

薬物犯罪に関わる麻薬取締官

麻薬取締官とは、その名の通り、違法な麻薬を取りしきり、薬物犯罪撲滅のために尽力する仕事です。
警察の仕事と思われがちですが、薬物を扱いますので、厚生労働省の国家公務員になります。
しかし、犯罪に関わりますから、特別な権限があり、逮捕行為、状況によっては武器の所持が認められています。
こういった権限は特別司法警察官としてのものです。

具体的な仕事内容をご説明致します。
主に、3つの業務があります。

1つ目は「違法薬物の取り締まり」で、薬物犯罪に関するあらゆる情報を集めて違法薬物に関する犯罪審査をします。その審査をもとに、犯罪者の逮捕、国外から密輸される薬物を取り締まり、日本国内に持ち込めないようにするといったことです。
こういった業務は警察や海上保安庁との連携の元に行われます。

2つ目は「医療麻薬の監督と指導」です。
麻薬には医療用として許可されているものがあります。
癌の痛み止めのモルヒネなどはその代表的なものでしょう。
そういった麻薬が不正使用されていないかどうか、適切なルートなのか、横流しなどは大丈夫か等、病院や製薬会社に立ち入って監督、指導すると言った業務です。

3つ目は、「薬物使用の相談と啓発」になります。
こちらは、薬物中毒者やその家族の相談役となり、日常生活への復帰のサポートをします。
何しろ、薬物は依存性が高いものですから、一度手を出してしまうとなかなか、やめられないといったことがありますから、こうしたサポートは薬物依存で困っている人や家族にとっても有難いものでしょう。
また、啓蒙活動として、薬物依存の恐ろしさに関する講演等を行い、薬物のない健全な住みよい社会を目指します。

麻薬取締官になるのに良い学部

麻薬取締官になるには、どうしたらよいか、ご説明致します。
厚生労働省の採用試験を受ける必要があるのですが、この試験は大卒でないといけません。

学部として多いのは法学部、薬学部でしょう。
これから、この仕事を目指して大学を考えるのであれば、こういった学部を選ぶと良いかもしれません。

法学部の場合は国家公務員試験一般職試験の大卒程度で「行政」もしくは「電気、電子、情報」を受験することになります。
こういった試験科目は大学で学ぶこととは異なるでしょうから、ご自身で勉強しないといけません。
中には、ダブルスクールで専門学校に行く人もいるようです。
麻薬取締官には法律の知識が必要ですから、法学部で学んだことを面接時にアピールすると良いでしょう。

薬学部の場合は、卒業しますと、薬剤師国家試験の受験資格を得られますから、その試験に合格すれば、薬剤師の資格が得られるでしょう。
麻薬取締官は薬の知識が必要ですから、薬剤師の資格をもった人材を積極的に採用しています。
調剤薬局や民間会社で働いたあとに、麻薬取締官の試験を受けると言う人もいるようです。

麻薬取締官の採用枠は多くはないのですが、しっかりとした意思を持って、頑張りましょう。
外国人の犯罪者も多いため、語学力も求められていますから、学生時代に語学もしっかりと学んでおくと役に立つはずです。