海上保安官

海を守る海上保安官

海上保安官という職業は言わずと知れた職業という感じもしますが、その詳細は少々わかりにくいかもしれません。
といいますのも、海上自衛隊と誤解されがちになるからです。
海を守ると言う意味では海上自衛隊と似たような業務ですが、その内容は違います。

自衛隊は海を侵略から守ると言う業務ですが、海上保安官は、海の安全と保安を守る業務です。
その身分は国土交通省の外局となっています海上保安庁の国家公務員となります。

海上保安官の業務

海上保安官の業務は大きく分けて3つです。

まずは警備救難業務で、密航、密漁、密輸の取り締まりや海難救助を行います。
具体的にいいますと、不法入域の不審船を取り締まったり、麻薬等の流入の阻止、行方不明者の捜索、人命救助、タンカー事故による汚染拡大を防ぐといったことです。

二つ目は、海洋情報業務で、安全な航海のための情報の調査、提供となります。
具体的にいいますと、測量船を使った海図を作成したり、海洋火山の噴火、漂流物に関する情報を提供、港湾の測量等で、必要に応じて無線で各船舶に情報提供もするようです。

そして、三つ目は海上交通業務になります。
具体的には、海難事故防止のために海上交通の安全に関わる「ブイ」「灯台」等の航路標識保守、運用、建設、航行管制業務を行う「海上交通センター」からの業務提供等です。

海上保安官になるためのルート

海上保安官になるためには、学生採用試験を受け、「海上保安大学校」か「海上保安学校」に入学する必要があります。
「海上保安大学校」は4年半通い、幹部職員を養成、「海上保安学校」は1~2年通い、職員を養成する機関です。

「海上保安大学校」は高卒から、「海上保安学校」は高卒、大卒、短大、専門学校卒後に入学可能になっています。
どちらも学生でありながら、国家公務員の身分となり、入学金、授業料無料、全寮制、月給、ボーナスも支給ありです。

海上保安大学校は幹部になるための学校

こちらは海上保安庁の幹部になるための学校で、広島県呉市にあります。
本科4年、専攻科半年、研修課国際業務課程半年を経て卒業です。

卒業後は、巡視船での勤務があり、その後は本庁勤務、海上勤務が交互にあります。
このように、様々なことを経験して、幹部への道を歩んでいくようです。

一般職員としての知能、技能を学ぶ海上保安学校

こちらは、京都府舞鶴市にあり、海上保安庁の一般職員としての知識、技能を学びます。
船舶運航、航空、情報システム、海洋科学といった4課程があり、受験時にご自身の希望によって選択することになっているようです。

実践的な授業で、各課程のエキスパート育成に力を注いでいます。
実務経験の後、海上保安大学校の特殊科に進むという道も開けます。
そうなれば、将来は幹部としての活躍も期待できます。