木造住宅を建築するためのスペシャリスト
大工とは、日本の伝統的な木造住宅を建築するための技術を備えた職人としての職業です。
木材を使用するということは鉄材やコンクリート材を使用する場合と異なり、使用する木材の性質を正しく理解して最も適した方法で設置していかなくてはいけません。
日本と同じく木造の製品を多く扱う北欧の家具職人なども、かつての日本の木工大工と同じくらいの高い技能を持っていたとされており、100年単位で使用できるよう木材の年数による伸縮具合を考えてそれぞれの木材を組み合わせて家具を作っていったとされています。
日本においては木工による住宅建築が広く行われてきたということもあり、今もかなり高い技能が大工になる人には要求されています。
大工として勤務をするために直接的な検定試験などはないのですが、今も仕事するときにはまずは親方のいる工務店などに就職してそこで技術を教えてもらうようになっています。
現在大工として仕事をしている人は一般的な工務店や施工業者に勤務をしている人とはやや異なり、個人経営にかなり近い形で木造住宅を専門に請け負っているということが多いようです。
木材を扱える人材は減少傾向にあります
日本の伝統的な住宅建築方法は木材による住宅とはいえ、昔ながらの工法による住宅建築は現在ではほとんどとられなくなってきました。
現在では建築技術が全体的に高度になってきたことにより、従来までのような工法は使用されず便利な電動工具を使ったり、強力な接着剤を使用するなど細かい部分で伝統的ではない方法を使用する部分が出てきています。
つまり今後大工として仕事をしていくときには、先輩や親方から教えてもらう技術だけでなくそうした新しく安全性の高い技術や工具を使用するための技能も同時に身に着けていくことが必要になってきます。
しかしそうした便利な工具を使用できるとは言っても、やはり最も肝となる木材の扱いについては今後もずっと変化なく高い技能が求められます。
そうした木材についての高い技能を習得する人材を少しでも増やすため、2013年から新たにスタートした資格の一つに「木材検定」というものがあります。
これは一般社団法人の日本木材検定協会が主催するものですが、学習をしていくことにより木材の特性などを全体的に把握をすることができます。
木材のスペシャリストが全体的に減ってきたことにより、宮大工のように完全に木材で建築材を扱える人もごく希少な存在となってしまいました。
今後大工を目指す人にはぜひ木材という伝統的な建築材について多く勉強をしていってもらいたいところです。