海外との貿易を手助けする税関職員
税関職員の仕事は、その名の通りです。
つまり、税は税金の徴収のこと、関は通関手続きのことで、海外との窓口になる空港や港内の施設で、こうした税金に関する業務を行います。
その立場は国家公務員で、国内の納税制度、海外との貿易の円滑化を手助けする仕事と言えるでしょう。
もう少し具体的にその仕事内容をご説明しますと、日本から海外に何かしらの品物を輸入、輸出する際、その内容をチェックします。
品物を検査したり、書類を点検したりして、関税や消費税が支払われているものかどうか、確認するのです。
確認後、問題なければ、輸出、輸入の許可を出します。
また、海上パトロールも行います。
このパトロールは合法的に輸出輸入が行われているかどうかを確認するためのものです。
こうしたパトロールによって、密輸の船が見つかり、摘発すると言ったことも過去にはあったようですから、こうした様々な角度からのチェックが犯罪防止にもつなげられるのでしょう。
そして、通関業者の申告した税率の正しさをチェックします。
どういったことかと言いますと、たとえば、お米は「精米」「玄米」「研米」とどのような分類でも税率は同じですが、これが砂糖の場合ですと異なるのです。
砂糖は製品としての砂糖、原材料の段階、加糖かどうかによって税率が異なり、その差は25%とも言われています。
そのために、商品を隈なく調べ、税率が正しいかどうかをチェックすることが大事で、それが税関職員の仕事にもなっているのです。
税率に間違いがあると、企業に損害があるかもしれませんから、細心の注意が必要でしょう。
時には、麻薬探知犬とパトロールを行うと言ったこともあります。
と言いますのも、海外から帰国した際、行われる手荷物審査で、高額になると税金手続きがありますので、こうしたことをサポートするのが税関職員です。
そういう折に、まれに麻薬、覚せい剤、銃といった持ち込んではいけないものがあるときがあります。
そのようなことがないかどうか、麻薬探知犬と一緒にパトロールをするというわけです。
因みに麻薬探知犬を扱う人もハンドラーと言われ、税関の職員です。
このように、税関の仕事は実に幅広いものと言えましょう。
二種類ある税関職員
税関職員は国家公務員で「総合職」「一般職」の二種類があります。
それぞれの特徴を踏まえて、ご説明致します。
「総合職」は、いわゆる「キャリア組」で将来は幹部職員になると期待されている人たちの事です。
その数は少なく、全国に200名もいないほどです。
この職に就くには、人事院が行う総合職の試験に合格し、官庁訪問を終えたのちに採用通知がもらえるようです。
実力次第で上のポストにつける「総合職」ですから、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。
「一般職」は現場のエキスパートとしての働きが期待されています。
日本全国9か所にある税関の施設で働く職員です。
この職を得るには人事院の実施する国家公務員採用試験「一般職」で合格しなければいけません。
この試験は大卒程度、高卒程度とあるようです。
試験合格後は各地の税関採用面接を受け、合格したら採用となるでしょう。
日本と海外の橋渡しになるような税関の仕事は憧れる人も多いものです。
まずは筆記の試験ですから、公務員試験の傾向と対策を頑張りましょう。